ワイヤレスマイクはそれ自体がノイズ源となってしまうため、同一空間で複数のチャンネルを使用する際は、相互変調妨害による干渉を回避するチャンネル配置が求められます。 アナログワイヤレスシステムの場合、電波の相互変調妨害を考慮すると、最も効率のよいチャンネル配置は下図【アナログ】のようになります。この配置では6チャンネルの同時使用が限界です。しかしデジタルワイヤレスシステムでは、“ノイズの影響を受けにくい”という特性から相互変調妨害が発生しても各チャンネルがその影響を受けにくく、下図【デジタル】のように等間隔のチャンネル配置が可能となり、結果として10 チャンネルまで同時に使用することができるようになります。


デジタルワイヤレスシステムは混信やノイズに強い事から、同一チャンネルの再利用(同じ周波数のマイクを同一空間で同時に使用)が行いやすくなるメリットもあります。アナログワイヤレスシステムの場合、同一空間で同じチャンネルを使用する際は、100 m以上離す必要がありましたが、デジタルワイヤレスだと、その距離を数十mまで縮めることができるため(※)、狭いエリアで多くのワイヤレスマイクを必要とするような現場(バンケットホールや会議場など)でも対応しやすくなります。

※受信アンテナの設置状態や、壁の材質、厚みなど部屋の状況によります。

従来のアナログワイヤレスシステムは、音声信号をFM 変調により伝送していました。この方式では、一般的な広帯域受信機(FM ラジオなど)によって傍受されてしまう可能性があり、セキュリティ面で不安が残ります。一方デジタルワイヤレスシステムでは、デジタル変調による伝送のため、広帯域受信機で受信したとしてもノイズしか聞こえません。それにより、情報の漏洩を防ぐことができ、情報通信におけるセキュリティの向上につながります。

このようなメリットが得られるデジタルワイヤレスシステムにより、今後、通信や放送システムのデジタル化はますます進んでいくと思われます。

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